プリニウス第82話「ヘルクラネウム」がくらげバンチで公開
2022年09月02日
ヤマザキマリ+とり・みき 『プリニウス』第82話「ヘルクラネウム」がくらげバンチで無料公開されました。これを含めて残りあと3話。
「そこには雲が立ち上がっており雲の形はローマ松に似て高い幹が空高く屹立し上部では枝のように横に広がっていました」小プリニウスのこの記述と救助に出帆した大プリニウスから、この規模の噴火に「プリニー式噴火」の名が付きました。
タイトルの「ヘルクラネウム」は現在のエルコラーノ。ナポリとポンペイの中間に位置し、ヴェスヴィオの裾野が海岸線に到達する狭いエリアに建てられた上流階級のリゾート地でした。ポンペイほど広くないので半日くらいのスケジュールならこちらをご覧になることをお勧めします。
救出に出動したプリニウスの艦船は大量の軽石で接岸をあきらめます(これも小プリニウスの記述より)。ほぼ想像で描くしかないなと思っていましたが、昨年夏の福徳岡ノ場で噴出し、沖縄はじめ日本の港にも漂着した軽石の様々な映像が具体的なイメージの補強になりました。被害自体は喜ぶべきことではないですが、思ってもみなかったシンクロニシティでした。
風向きでヘルクラネウムにはあまり降らなかった軽石もポンペイでは降り積もりました。それでも噴火からポンペイの城内を火砕流が襲うまで18時間ほどの余裕があり、脱出できた市民も多かったのです。