4/26 ヤマザキ春のマリまつり2018
今年で4回目を迎えたヤマザキ春のマリまつりですが、満員御礼にて無事終了致しました。
いつもはボサノバやMPB系の曲が多いのですけれども、今回は趣向を変えて、一部ではややロックというかシンガーソングライター寄りの曲を演奏。ヤマザキさんはピアノの弾き語りに挑戦、僕も、ふだんあまり使わないエレキギター(といってもセミアコですけどね)と格闘するはめに。
そして二部では一転して、ヤマザキさんが敬愛するカルメン・ミランダをイメージした衣装(衣装担当:桜田幸子さん)で登場。残りのメンバーはカンカン帽をかぶっていますが、これは別に先日亡くなった月亭可朝師匠を追悼したわけではありません。南国と踊れる曲を中心に構成したステージになりました。
カルメン・ミランダは戦前のハリウッドでアメリカ人のイメージする「歪んだ」ブラジルを体現し一世を風靡した人気歌手・女優で、しかしそれがゆえにブラジル本国ではバッシングされたりもしました。現在では再評価され、彼女の曲をカバーする中南米系の歌手も現れています。また、その一種悪趣味な独特の衣装やパフォーマンスは、LGBTカルチャーにおいてはキャンプ概念を象徴するアイコンとして人気を博しています。最近ではアカデミー賞を受賞した『シェイプ・オブ・ウォーター』でも彼女の曲が使われていました。
ヤマザキさんは子供のころに見た『トムとジェリー』をきっかけに、ミランダに関心を持つようになったとのこと(TOM & JERRY "Baby Pass" 6:00あたり)
戦前から制作されていたこのシリーズ、そして日本では間に放映されていたテックス・アヴェリーの作品(→例えばこちら)には、アメリカ民謡や、そのときどきに流行っていたアメリカの大衆音楽がしばしば取り入れられ、とくにアメリカのショービズ界で戦前から50年代までブームだったラテン系の曲もたくさん引用されました。僕もヤマザキさんもギャグに大笑いしつつ、現在の音楽趣味やバンド活動に繋がる多くの印象的な曲を、知らず知らずのうちに時代をさかのぼって学んでいたわけです。